MIHO TANAKA


田中美帆のホームページです。

About

体内で新しい生命を育み、産み出すことは、人間の経験の中でも特異性が高い経験です。このような妊娠、出産に伴う心理的な変化を検討することは、妊娠期そして育児期にある女性とそのパートナーの方への心理学的な支援に繋がります。これまで、妊娠・出産を経験した女性からしばしば聞かれる「子どものために死ねる」「私が死んだら、子どもが困るから死にたくない」という強い思いの背景にある心理について検討してきました。近年は,社会問題としても注目されている妊産褥期の自殺に関して,その関連因子の検討や妊娠期からの周産期うつの予防に関する研究も行っています。専門は生涯発達心理学。研究テーマは妊娠・出産・育児経験、死生観です。

biography

education

2008.04-2012.03
武庫川女子大学 文学部卒業 (心理学 学士)
2012.04-2014.03
神戸大学大学院 人間発達環境学研究科 博士課程前期課程修了 (修士 (学術))
2014.04-2017.03
神戸大学大学院 人間発達環境学研究科 博士課程後期課程修了 (博士 (学術))


career history

2014.04-2017.09
京都府立看護学校 非常勤講師 (「人間発達学」担当)
2014.05-2015.01
神戸大学大学院 人間発達環境学研究科 リサーチアシスタント
2017.04-2017.09
立命館大学 産業社会学部 授業担当講師 (「児童・発達心理学」担当)
2017.04-2018.03
神戸大学大学院 人間発達環境学研究科 研究員
神戸大学大学院 人間発達環境学研究科 心理発達論共同研究室 教務補佐
2017.09-2021.03
甲南女子大学 人間科学部 非常勤講師 (「心理調査法実習」担当)
2018.04-2022.03
武庫川女子大学 発達臨床心理学研究所 嘱託研究員
2018.04-2023.03
武庫川女子大学 文学部心理・社会福祉学科 助教
2021.04-2023.08
神戸大学 国際人間科学部 非常勤講師 (「発達心理学 (幼・小)」担当)
2021.04-
神戸大学 国際人間科学部 非常勤講師 (「ライフコースの心理学」担当)
2023.04-2024.03
姫路獨協大学 人間社会学群国際言語文化学類 特別講師
2023.04-
西宮市医師会看護学校 非常勤講師 (「発達心理学」担当)
2024.04-
大阪医科薬科大学 医学部衛生学・公衆衛生学Ⅰ・Ⅱ 講師


Membership in learned or professional societies

日本心理学会/日本発達心理学会/日本カウンセリング学会/日本公衆衛生学会/日本母性衛生学会


awards and grants

2013.04-2014.03
科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究 「生殖期女性における生物学的生殖性と心理学的生殖性の関連と統合に関する研究」研究協力者
2015.09
公益財団法人発達科学研究教育センター 発達科学研究教育奨励賞 受賞
2015.09-2017.03
平成27年度発達科学研究教育奨励賞 研究助成「養育者は身近な死から子どもに生命をどのように教えるのか――家庭での生命観教育に影響を与える要因の検討――」 研究代表者
2016.04-2019.03
科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究「高齢者のエンド・オブ・ライフへの態度構造の探索と実践的ツールの開発」研究協力者
2017.04-2018.03
名古屋市 「自殺対策に関する調査研究事業委託」分担研究者
2018.04-2022.03
科学研究費補助金 若手研究「妊産婦の自殺予防に向けた死への不安・恐怖に関する総合的発達モデルの構築」研究代表者
2018.02
2018年度武庫川女子大学論文投稿 助成金 採択
2024.04-
科学研究費補助金 基盤C 「妊娠期からの周産期うつ予防に対する認知行動療法プログラムの開発」研究代表者

publications

Books

1. 田中 美帆 (2022). 第14章 高齢者の心理発達 古見 文一・西尾 祐美子 (編著) はじめての発達心理学――発達理解への第一歩―― (pp. 145-156) ナカニシヤ出版2. 田中 美帆 (2021). 2章 胎生期の発達 櫻井 茂男・大内 晶子 (編著) たのしく学べる乳幼児のこころと発達 (pp. 25-39) 福村出版3. 田中 美帆 (2020). 第3部 第9章 死ぬってどういうこと? 川島 大輔・松本 学・徳田 治子・保坂 裕子 (編著) 多様な人生のかたちに迫る発達心理学 (pp. 83-90) ナカニシヤ出版


Papers (peer-reviewed)

1. 田中 美帆 (2023). 子どもとの関係構築経験が母親の生と死に対する態度に及ぼす影響 人間学研究, 35, 10-16.2. 西中 華子・田中 美帆・山口 恵 (2023). 担任教師の指導行動・教育方法が学級経営へとつながる過程に関する予備的検討――居場所づくりとしての学級経営に関する教育心理学的研究―― 教職課程研究 (姫路獨協大学教職課程研究室), 33, 1-20.3. 田中 美帆・川島 大輔・辻本 耐 (2021). 高齢者におけるゆだねたさ尺度の構成――エンド・オブ・ライフケアに向けた基礎調査―― 精神医学, 63, 1843-1850.4. 辻本 耐・田中 美帆・川島 大輔 (2021). 高齢者のエンド・オブ・ライフに対する態度尺度の開発 厚生の指標, 68, 35-41.5. Tanaka, M., Takahashi, M., & Kawashima, D. (2021). End-of-Life Activities among Community-Dwelling Older Adults in Japan. Omega: Journal of Death and Dying, 83, 601-610.6. 田中 美帆・小花和 Wright 尚子 (2017). 妊娠・出産と育児の経験が成人女性の生と死に対する態度に与える影響 神戸大学大学院人間発達環境学研究科研究紀要, 11, 47-54.7. 田中 美帆 (2017). 生と死に対する態度の潜在因子モデルに関する比較検討 神戸大学発達・臨床心理学研究, 16, 23-27.8. 田中 美帆 (2017). 妊娠期女性における心理学研究の現状と課題 神戸大学大学院人間発達環境学研究科研究紀要, 10, 1-6.9. 田中 美帆・齊藤 誠一 (2016). 成人期の生と死に対する態度尺度の構成 カウンセリング研究, 49, 160-169.10. 田中 美帆 (2016). 成人期の生と死に対する態度に影響を及ぼす個人的背景要因の検討 神戸大学発達・臨床心理学研究, 15, 30-34.11. 田中 美帆 (2014). 成人期の生と死に対する態度の検討――成人期前期に体験されるライフイベントに着目して―― 神戸大学発達・臨床心理学研究, 13, 27-31.12. 田中 美帆 (2013). 成人期女性の生と死に対する態度についての基礎的検討――妊娠・出産経験の観点から―― 神戸大学発達・臨床心理学研究, 12, 18-22.


Papers

1. 田中 美帆 (2017). 養育者は身近な死から子どもに生命をどのように教えるのか――家庭での生命観教育に影響を与える要因の検討―― 発達研究, No.31, 95-104.2. 田中 美帆・齊藤 誠一 (2013). 生と死に対する態度研究の概観と展望 神戸大学大学院人間発達環境学研究科研究紀要, 7, 181-186.


International conference presentations (oral)

1. Tanaka, M. (2017). What factors influence attitudes towards life and death among Japanese primiparous women? Proceeding of 18th European Conference on Developmental Psychology (Utrecht, Netherlands).


International conference presentations (poster)

1. Tanaka, M. (2019). The influence of mother-infant relationship-building experiences on Japanese mothers’ attitudes towards life and death. Proceeding of 19th European Conference on Developmental Psychology (Athens, Greese).2. Tanaka, M., & Saito, S. (2016). The influence of the youngest child’s age on attitudes towards life and death among Japanese adults. Proceeding of 31th International Congress of Psychology (Yokohama, Japan).3. Tanaka, M., & Saito, S. (2015). The developmental trajectory of the pregnancy period on attitudes towards life and death among Japanese adults. Proceeding of 17th European Conference on Developmental Psychology (Braga, Portugal).4. Tanaka, M., Obanawa, W. N., Saito, S., & Joh, H. (2014). The influence of personal experiences on attitudes towards life and death among Japanese adults. Proceeding of The 23rd Biennial Meeting of the International society for the study of behavioral development (Shanghai, China).


Domestic conference presentations (oral)

1. 田中 美帆 (2023). 心理学教育における教育実践 川島 大輔・河野 由美・近藤 恵・田中 美帆・渡邉 照美・浦田 悠・古賀 佳樹  シンポジウム「死生心理学をいかに教えるか ――大学での死生学教育の実践を通じた対話――」日本発達心理学会第34回大会発表論文集CD-ROM (立命館大学).2. 田中 美帆 (2017). 妊娠・出産経験が成人期の生と死に対する態度に及ぼす影響 日本心理学会第81回大会 小講演 日本心理学会第81回大会発表論文集CD-ROM (久留米大学).3. 田中 美帆 (2017). 出産前後の生と死に対する態度―他者との関係性が与える影響― 川島 大輔・近藤 恵・田中 美帆・渡邉 照美・やまだ ようこ・川野 健治  シンポジウム「死生に向き合う際,他者との関係は生の糧となるか,それとも重荷となるか― 死生心理学の展開(2)―」日本発達心理学会第28回大会発表論文集CD-ROM (広島国際会議場).4. 田中 美帆・齊藤 誠一 (2014). 妊娠・出産・育児経験が成人期女性の生と死に対する価値観および態度に与える影響 第43回日本女性心身医学会学術集会, 94 (京都府立医科大学).5. 田中 美帆・齊藤 誠一 (2013). 成人期の生と死に対する態度の検討――成人期前期に経験されるライフイベントに着目して―― 関西心理学会第125回大会発表論文集, 50 (和歌山大学).


Domestic conference presentations (poster)

1. 田中 美帆 (2023). コロナ禍における妊産婦の自殺関連因子に関する縦断的検討 日本心理学会第87回大会 (神戸国際会議場・神戸国際展示場)2. 田中 美帆・川島 大輔・辻本 耐・Masami Takahashi (2023). エンド・オブ・ライフに対する態度の日米比較 ――地域在住高齢者を対象として―― 日本発達心理学会第34回大会 (立命館大学)3. 田中 美帆 (2022). コロナ禍における産婦のメンタルヘルスと自殺関連因子――パンデミック以前と以後の比較検討から―― 日本心理学会第86回大会 (日本大学)4. 田中 美帆 (2022). コロナ禍における妊産褥期の自殺関連因子に関する探索的検討――メンタルヘルス,死への恐怖,自殺の対人関係理論における危険因子の視点から―― 日本発達心理学会第33回大会 (オンライン開催).5. 田中 美帆 (2020). 妊産褥期の死への恐怖と自殺の対人関係理論における危険因子との関連(1) 日本心理学会第84回大会 (東洋大学).6. 大塚 穂波・田中 美帆 (2020). 家庭における乳幼児の人形遊びの実態調査 (1) ――家庭にある人形の種類と遊ぶ頻度に関する検討―― 日本発達心理学会第31回大会 (大阪国際会議場).7. 田中 美帆 (2019). 子どもとの関係構築経験と生と死に対する態度についての探索的検討 日本心理学会第83回大会 (立命館大学).8. 田中 美帆・川島 大輔・辻本 耐 (2019). 老年期におけるゆだねたさ尺度の開発 日本発達心理学会29回大会CD-ROM (早稲田大学).9. 辻本 耐・川島 大輔・田中 美帆 (2019). 高齢者のエンド・オブ・ライフケアへのアクションリサーチ(1)――地域高齢者のエンド・オブ・ライフへの態度およびその関連要因―― 日本発達心理学会29回大会CD-ROM (早稲田大学).10. 田中 美帆・大塚 穂波 (2018). 母親の生命観教育に対する態度の影響因についての探索的検討 日本心理学会第82回大会発表論文集CD-ROM (仙台国際センター).11. 田中 美帆・齊藤 誠一. (2017). 妊娠各期における生と死に対する態度の横断的検討 日本発達心理学会28回大会CD-ROM (広島国際会議場).12. 川島 大輔・田中 美帆・Takahashi, M. (2017). 高齢者の終活と関連要因についての探索的検討 日本発達心理学会第28回大会発表論文集CD-ROM(広島国際会議場).13. 田中 美帆・齊藤 誠一. (2016). 末子の年齢が中年期の世代性に与える影響 日本発達心理学会第27回大会発表論文集 (北海道大学).14. 田中 美帆 (2015). パートナーの妊娠・出産・育児経験が成人期男性の死生観に与える影響 日本発達心理学会第26回大会大会論文集, 147 (東京大学).15. 田中 美帆・齊藤 誠一 (2014). 世代性関心の発達的変化についての検討――青年期・成人期前期・中年期の横断調査から――  日本教育心理学会第56回総会発表論文集, 835 (神戸国際会議場).16. 田中 美帆・齊藤 誠一 (2014). 成人期の生と死に対する価値観および態度尺度の作成 日本心理学会第78回大会発表論文集, 1035 (同志社大学).17. 田中 美帆 (2013). 過去の経験が青年期の時間的展望と親性準備性に与える影響 日本心理学会第77回大会発表論文集, 948 (北海道医療大学).18. 田中 美帆・小花和 W. 尚子 (2012). 出産経験が女性の生と死に対する態度に与える影響 日本教育心理学会第54回総会発表論文集, 315 (琉球大学).19. 田中 美帆・小花和 W. 尚子 (2012). 出産経験が女性の共感性に与える影響 日本心理学会第76回大会発表論文集, 1046 (専修大学).

kaken

18K13034:Construction of integrated developmental model of fear of death for suicide prevention among expectant or nursing mothers

【妊産婦の自殺予防に向けた死への不安・恐怖に関する総合的発達モデルの構築】

目的
生と死に対する態度のうち死への不安・恐怖は,自殺の対人関係理論において自殺の企図に影響する重要な危険因子です。近年,妊産婦の自殺への高い社会的関心が寄せられていますが,妊産婦の自殺関連行動に関する要因は十分に明らかにされていません。そこで本研究は,妊産褥期の発達的特徴である子との関係性構築に着目し,死への不安・恐怖の発達モデルを構築し,妊産婦の自殺関連行動との関連を明らかにします。